一人親方の労災保険(特別加入制度)には様々な給付(補償)制度があります。
ここでは、療養補償給付(業務災害)について説明していきます。
療養補償給付とは?
一人親方が特別加入制度に加入している場合、仕事中(仕事が要因)に業務災害起こりケガや病気になり療養(治療、通院、手術、入院等)が必要になった場合は
国から療養のための補償の給付を受けることができます。
このことにより、労災病院または労災指定病院等において必要な治療が無料で受けられます。
その場合は、必ず病院の窓口で仕事を要因としたケガですと伝えてください。
労災病院だけでなく、労災指定病院等以外の病院において治療を受けた場合でも、治療にかかった費用が支給されます。
無料と言っても、給付より先に病院に行くことが通常ですので、昨今では先に補償金として被保険者が100%の治療費を病院から請求されることが多くなりました。
労災認定がおりた後、治療にかかった費用を国が療養先の病院へ支払い次第、被保険者は病院から100%の治療費等を返還してもらうことができます。
一人親方が療養補償給付を受けるための条件
保険給付の対象となる業務中のケガや病気については、加入者ごとに一定の業務を行っていた場合に限られています。
建設業の一人親方等は、次に該当する場合に保険給付を受け取ることができます。
業務災害でケガや病気になってしまった場合は、現在ご加入中の労災保険団体に連絡の上、早めに医療機関へかかりましょう。
請負契約に直接必要な行為を行う場合
請負契約の締結行為や契約前の見積り・下見などの行為も、補償の対象となります。 また、自宅から下見現場などに直接赴く場合、自宅から下見現場までの間についても通勤災害として補償の対象となります。
請負工事現場における作業およびこれに直接附帯する行為を行う場合
請負契約に基づく行為は補償の対象となりますが、特別加入者が自宅の補修を行う場合など、請負契約に基づかない行為は、補償の対象とはなりません。 なお、「直接附帯する行為」については中小事業主等に準じて判断し、具体的には、作業途中に該当工事に必要な資材等を購入に行く行為などがこれに該当します。
請負契約に基づくものであることが明らかな作業を自家内作業場において行う場合
ただし、自家内作業場において、請負契約に基づかない製造作業や、販売を目的とした作業(建具の製造など)を行う行為は補償の対象とはなりません。
請負工事に関する機械や製品を運搬する作業およびこれに直接付帯する行為を行う場合
請負工事にかかる機械や製品を、自宅から工事現場まで運搬する行為についても補償の対象となります。具体的には、自宅から工事現場に赴く途中で資材等を購入する場合、自宅から資材店までの間については通勤災害として、また、資材店から工事現場までの間については業務災害として、それぞれ補償の対象となります。 なお、「直接附帯する行為」については、生理的行為、反射的行為、準備・後始末行為、必要行為、合理的行為および緊急業務行為を指しますが、具体的には、荷の荷卸作業、運行中の自動車の故障・修理などの行為がこれに該当します。
突発事故(台風、火災など)により予定外に緊急の出勤を行う場合
具体的には、台風や火災などの際、工事現場における建物の保全を目的として、自宅から緊急に工事現場へ赴く行為などがこれに該当します。
一人親方向けの労災保険はどこで入るのがおすすめ?
一人親方向けの労災保険を取り扱う団体は数多くあり、それぞれ特徴を持っています。
人それぞれ優先すべき事項はまちまちですから「この団体が最適です!」とは言い切れません。
労災保険に対する考えや費用などをじっくり検討した上で、あなたにとってベストな団体を選ぶべきでしょう。
全国建設業親方労災保険組合
全国建設業親方労災保険組合では、労災申請の書類作成を無料で代行しています。
申請書類は非常に煩雑で書くことも多いので、ケガや病気で苦しんでいる状態の時にきちんと書き上げるのは難しいもの。
ですから、ほとんどの労災保険取扱団体では、申請書類の作成を代行しています。
けれども有料としていることが多いので「働けないから労災保険の補償を受けるのに、お金を払わなくてはならない」という悪循環に陥ることも。
また、団体としては申請手続きが多少遅れても損害は発生しません。
ですから書類ができるまで数日待たされることもあるようです。
もちろんその日数分、お金が振り込まれる日が遅れます。
一方、全国建設業親方労災保険組合は労災保険の専門家が在中しているので、連絡が入れば即座に対応。
しかも「無料」であなたをサポートします。
万が一に備えるなら、全国建設業親方労災保険組合で安心安全なサポートを受けましょう。
まとめ
ここでは、業務災害が原因で通院や入院をする場合の補償内容について説明してきました。
建設業一人親方の特別加入制度に加入することで、労働災害(業務災害や通勤災害)に遭った時に、国からの補償を受けることができます。
まずは、加入資格や補償範囲について、事前に十分に理解しておくことが大切です。